和室にはつきものの押入がなくなれば、部屋はもっと広く使えますね。
でも押入って撤去できないんじゃないの?
難しくて業者に委託しないと無理なんじゃないの?
そう思われている方、多いのではないでしょうか。
実は意外と簡単にDIYで撤去できちゃうんです!
今回は押入の撤去について、私が実際に行った方法をご紹介します。
押入って?
和室には通常「押入」が付いています。
布団やモノをしまっておくスペースですね。
おまけに「天袋」っていう押入の上のスペース、これも付いていることがあります。
天袋なんて、大人の男性でもなかなか手が届かない。
脚立を使ってモノを出し入れする必要のあるスペース。
いわゆる、物を入れたら次の引越まで開かない……。
そんなスペースです。
押入スペースの使い道
押入、天袋ってどの程度の大きさがあるのでしょうか?
統一された明確なサイズはないようですが、概ね
間口:160cm~180cm
高さ:180cm~240cm
奥行:70cm~90cm
畳1枚分より少し小さいスペースと考えても良いかもしれませんね。
今までの部屋にプラスで、押入分、窪んだスペースが生まれた!
ちょっとした秘密基地のような場所、そんな雰囲気でしょうか?
使い方のアイディアとしては
- 広いスペースとしてそのまま活用
- ワークスペースとして活用
- 大きめのテレビスペース
- ディアウォール等を設置
- 子供の勉強スペース
部屋が広がるため使い方を考えるのも楽しいし、活用の幅も広がりますね。
実際の施工手順について
DIYを始めるにあたり、施工手順を確認しておきます。
- 雑巾摺(ぞうきんずり)撤去
- 中板のベニヤと根太の撤去
- 両サイドの根太撤去
- 前框(まえかまち)の撤去
- 後框(うしろかまち)の撤去
同様に天袋も撤去(※天袋を先に撤去する方が作業はやりやすい)します。
押入の床を作り替える場合は、さらに作業として、
6.床のベニヤの撤去
7.根太と根太受けを撤去
8.敷居の撤去
9.根太張り
10.合板張り
と続きます。
押入撤去時に準備した物
押入撤去の時に私が準備したものは下記のとおりです。
- バール
- 金づち
- ヘラ
- ノコギリ
- ゴム手袋
- インパクトドライバー
- インパクト用ビット
- インパクト用ドリル
押入撤去DIY 施工方法について
1.雑巾摺(ぞうきんずり)を撤去
中段の両サイドと奥に縁取りとして打付けてあるのが雑巾摺です。
これは端のバリや隙間を隠すために付けられているもので、簡単に取り外せます。
雑巾摺の下にヘラを挿し込み、少し隙間を作りバールで浮かす。
それを横にスライドさせながら2~3回程度やっていくと、雑巾摺に打ち付けられた釘と一緒に取り外せます。
これを両サイドと奥の3箇所行います。
雑巾摺には釘が打付けてあるので、ケガに注意して行ってください。
2.中板のベニヤと根太の撤去
雑巾摺を撤去すると、中板が撤去できるようになります。
中板は薄い3ミリ程度のベニヤ板です。
下から覗くと等間隔で押入の奥に向かって組んである根太の上に乗っていることがわかります。
その根太にベニヤを釘で打付けてあるので、下から金づちやバールを使ってベニヤを叩き上げます。
釘が抜けてベニヤが取り外せます。
この時もベニヤには多くの釘が残っているので注意してください。
特に下から叩いていると釘の先はこちらを向いています
続いて根太の撤去です。
根太は前框と後框に打ち込んで固定してあります。
釘を打ち込んである反対側から金づちで叩いていくと抜けやすいです。
3.両サイドの根太撤去
押入の両サイドに打ち付けてある根太。
これは少し注意が必要です。
両サイドのベニヤの裏にある柱に打ち付けてある可能性があります。
今までと同じ要領で叩いていくと、壁も一緒に壊してしまう可能性があります。
またボンドで接着してある可能性もあります。
まず、ヘラを使ってベニヤと根太の隙間に差し込みます。
ボンドで接着してあれば、ヘラを挿し込むのも大変かもしれません。
ゆっくり左右に揺らしながら、上から下から剥がしていきます。
釘が柱に打ち込んである場合は、その釘の周りをドリルで深さ1cm程度穴を空け、バールを使って釘を引き抜きます。
4.前框(まえかまち)の撤去
前框はちょっと太く頑丈なので、テコの原理を利用して引き抜く手法をご紹介します。
まず真ん中辺りを適当に2ヵ所切断します。
1ヶ所でも良いのですが、 2ヵ所切断する方が作業がやり辛いです。
前框を持って左右に揺らしていきます。
釘を打ち込んである部分が徐々に緩み始めます。
そうなってきたらバールや金づちを使い引き抜きます。
この時、前框と柱が圧力を受けることで凹む可能性があります。
その時は「あて木」などをして緩和してください。
5.後框(うしろかまち)の撤去
最後は後框の撤去です。
後框は大きくて太いため、打ち付けられている釘も太く長いことが多いです。
でも以下の点を想定して準備すれば、そんなに取り除くのは難しくありません。
また裏のベニヤをできるだけ傷つけないよう処理をすることも可能です。
後框は以下のような施工をされている可能性があります。
- 裏の柱に5~6本、7~8cmの釘が打ち込まれている
- ベニヤとの接地面にボンドで接着
後框を撤去するやり方は、上記3でご紹介したものと同様です。
ボンドを剥がしていきますが、接地面が広いため、何度もヘラを挿し込み少しずつ剥がしてください。
釘を抜く場合、無理に引き抜こうとすると、裏のベニヤが割れたり傷跡が大きくなったりします。
釘の周りをドリルで掘削し、打ち込まれている釘の頭が出てくるように調整します。
釘の頭が出てきたら、しっかりとバールの先を引っ掛けてテコの原理を利用し引き抜きます。
ここでのポイントは、ベニヤを傷つけないよう「あて木」をして行うことです。
釘が少し抜けてきたら、さらに薄い「あて木」を入れてやると抜けやすくなります。
押入撤去 DIYと業者委託 値段の比較
押入撤去をDIYで行う場合と、業者に委託する場合の比較をしてみます。
業者に委託する場合、半日程度で施工できる作業ですので、1万円程度の作業費でしょう。
DIYで行う場合は、工具等は含めず、費用はゼロ。
作業時間は約半日といったところですね。
天袋の撤去について
押入と同様に天袋も撤去できるのですが、押入を撤去する前に天袋を撤去することをお勧めします。
私たちは先に押入を撤去してしまったため、天袋を撤去する時には脚立を使い、不安定な状態で作業をする羽目になりました……。
押入の中段に乗って作業できれば、天袋の撤去は楽ですから。
天袋を撤去する場合、押入の天井と天袋の床の間には、鴨居(かもい)と長押(なげし)というものがあります。
2つとも撤去してかまわないのですが、長押は部屋の横の列を綺麗に見せるため、1枚の板を貼ってあります。
天袋だけ取り除きたい場合は、長押は境界部分で切断した方が良いです。
鴨居は両端にある柱に打ち付けてあるため、押入の時と同様に引き抜けます。
押入撤去時の注意点は?
押入の床は通常の床よりも薄い合版が貼られていることが多く、弱くなっています。
部屋の一部として使うことを想定するのであれば、床の対策も必要となります。
私の実際の経験談として、押入の床補強の記事も今後掲載しますので、参考にしてみてくださいね。
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