DIY初心者が築46年築古物件をセルフリノベーションしたシリーズ、第10話。
今回は古いキッチンから今風のキッチンにDIYしたリノベについて書いていきます!
DIY前:昔ながらのキッチン
DIY前のキッチンは昔ながらの古ーいキッチンで、壁に向かって料理をするスタイルでした。
今風はやっぱりカウンターキッチン!
リビングを見ながら、リビングで家族と会話しながら料理ができるキッチンですね。
私が購入した築古戸建の間取りは↓左。
今回のDIYでキッチンを隣の和室側に向け、1つのLDKにします。
また、女性が好む「パントリー」を合わせて造ります!
古いキッチンからカウンターキッチンのあるLDKへDIY!
カウンターキッチン造りは私自身、初チャレンジ。
計画した全体の作業工程は次のような感じです。
- 解体
- 配管移設
- 設計(設備の配置を考える)
- 床張り
- 照明用配線工事
- 天井上張り
- パントリー作成
- 対面キッチン作成
- キッチンパネル設置
- レンジフード設置
- 仕上げ(塗装及び漆喰塗り)
1.解体
まずは古いキッチンの解体です。
・床剥がし
・キッチン撤去
床を剥がすのには金槌とバールを使います。
板の目に沿ってバールの先を入れていくと比較的楽に床板を剥がすことができます。
どんどん剥がしていくと、「床板の端っこの合板」が壁の下に入り込んでいることが多くあります。
そういう時は、合板を左右に揺らしながら少しずつ壁から引き抜く感じにすることで、楽に撤去できます。
古いキッチンは捨てるのではなく、鉄やアルミを買い取ってくれる業者の所に持ち込むことでお金に換金できます!
2.配管移設
元々の配管は右の写真の赤〇位置にあります。
それを右下写真の位置に移動させるのですが、配管工事は業者さんにお願いしました。
ただ、どの位置に管の中心をもってくるのか?
次のキッチンの大きさ及びシンクの位置に合わせて壁からの距離を計測し、業者さんが分かりやすいように定めてあげることが大切です。
購入予定のキッチンの図面と照らし合わせて、シンクの配管の位置にマークをつけました。
3.設計(設備の配置を考える)
キッチンを作り替える訳ですから、
「どこに何を設置するのか」
簡単に概略図を作ります。
本来はCADを使うべきなのでしょうが、
私は使ったことがないので、エクセルで代用しました!
1つのマス目を10cmとして
赤〇 ダウンライトの位置
赤線 コンセント
青線 スイッチ及びコントロール先
茶色 パントリーとカウンター
という記号と図を使います。
実際に住む人のことを考えて、スペースや位置を決めていきます。
パントリーは、壁に40cmの棚を取り付けた際、人が入ってモノの出し入れができるだけの幅として80cm取ろう!
キッチンスペースには、冷蔵庫や食器棚を置いて。
料理をしながら、冷蔵庫からモノを取り出すのに手が届きやすい距離はどのくらいかな?
ちなみにこの段階で、キッチンの勝手口を塞ぐことを決めました。
キッチンの勝手口を塞いだ方法についてはこちらをご覧ください。
4.床張り
次はキッチンの床張りです。
まずは床を張る前に、2つのことを実施しました。
- 断熱材を入れる
- パントリーの土台に根太を入れる
断熱材は、下からの冷気を少しでも遮断するために入れました。
断熱材はスタイロフォームがメジャーですが、今回の場合はスタイロフォームを切って入れると落ちてしまうリスクを軽減するため、「フクフォーム」という断熱材を使いました。
根太間隔303mmの内内258mmから多少伸び縮みする発泡スチロールです。
パントリーの壁を作るために足元をしっかりさせるため、根太を追加で入れたり2×4等の角材を大引に打ち付けて高さを調整。
合板張りは本来は格子状に貼るのが負荷分散になりますが、スピード重視で進めました。
合板を切る前に貼る面の4辺の長さを測って切りましょう。
部屋は歪んでいますから!
本来、合板を貼るのは下図のように施工するのが良いですが、切る回数が増えます。
右図は一部を拡大した図になります。
部屋の柱は910mm間隔で作られています。そのため、大引きは910mm間隔です。
大引の上に303mm間隔で根太が張られます。
合板を貼る際は、最低限910mmの長さは守り、赤〇の根太には2枚の合板がキッチリ乗せられるように調整すると良いです。
5.照明用配線工事
新しいキッチンの照明は、普通のものではなく、ダウンライトにしてオシャレ感を出しました。
配線は、電気工事施工管理技士の資格が必要となるため、電気屋さんに工事をお願いし天井に穴を空けて分電盤から配線していただきました。
6.天井上張り
天井は野縁(写真1)が走っていますので、その真下に胴縁を写真2のように張ります。
天井上の野縁に天井下から胴縁を張ることで、合板を貼る土台にします。
胴縁に合わせる様に合板を切りビス打ちします。合板は5.5mm程度で良いと思います。
- 合板を貼る前に胴縁に木工用ボンドを付けておくとより接着が強くなります。
- 合板も床と同様に天井の4辺のサイズを計測して合板を切り、先に天井に仮当てしておくとズレが軽減できますよ。
7.パントリー作成
次の作業はパントリーの作成です。作成の手順は次のように考えました。
- 土台づくり
- 柱作り
- 合板貼り
1.土台づくり
壁を作るためには壁がぐらぐらしないようにしっかりと固定する必要があります。
そのため、床と天井に土台を作ります。
写真3は天井を作る際に角材を打ち込めるように、胴縁を入れたものです。
写真4が天井と床に土台を作った時の写真です。
私が使ったのは30mm×60mmの角材です。
柱を立てる際にこのような土台があることで、しっかりした壁を作ることが可能になります。
2.柱作り
先程作った土台の上に角材を仮置きします。
その際、柱の間隔は455mmにします。
正確に言うと、合板と合板が合わさる柱は910mmを柱の中心に取ります。
角材の高さは実際の長さよりも1mm大き目に取っておくと良いです。
金槌で叩けば少し短くなり、徐々に戻るため、柱が安定します。
柱の固定は、100mm程度のビスを柱を貫通させ、斜めに土台に打ち込みます。
更に強度を出すため、写真5の赤〇のように、L字金具を取り付けます。
L字金具は、上と下で交互に取り付けることで数量を減らし強度を出すことができます。
柱の垂直を出すため、毛糸に5円玉を結び天井から吊り下げてチェックしました(写真6)。
3.合板貼り
パントリーの内側から合板を貼っていきます。
柱の中心まで910mmが作れていれば、910mm×1820mmの合板を切らずに貼ることができます。
柱の中心に墨出しをしてビスを打ち込む場所を作っておくと、ビスを打つ際の目印になって楽です。
パントリーのキッチン側には冷蔵庫用のコンセントと炊飯器などのコンセントを作りました。
事前にパントリーの壁の中を通せるように位置を決めておき、天井から土台に穴を開け壁の中を通して配線。
パントリーの内側の合板は針葉樹を使いました。
針葉樹は節があり目立つため、人の目に触れる所はあまり使いたくありませんでしたが、パントリーの中は収納庫になるため、費用を少しでも抑えたくて使うことにしました。
キッチン側は構造用合板です。
8.対面キッチン作成
対面キッチンは和室と床の高さを合わせて
旧キッチンと旧和室の境界に作ることにしました。
キッチン側の和室の壁を利用し、壁面と抜ける面の両方を作れて、都合が良いためです。
この対面キッチンを作る設計段階で実は葛藤したことがありました。
それは「通路スペース」です。
部屋のサイズが約2600mm。
キッチンサイズが1800mm+5mm余裕分。
対面キッチンの壁厚が、60+12+12=84。
通路の幅が710mmしか取れないことです。
カウンターの高さを100mm前後にすれば、圧迫感も軽減できると考えて、この幅で施工する決断をしました。
カウンターの安定性を高めるため、土台に角材を3段くらい積上げ、その上に柱を立てています。
角材はL字金具で下面を固定し、レーザーを当てて柱の垂直を取り、上部の角材をビスで固定しました。
対面キッチンの壁を作る際に意識したことは強度です。
パントリーと同じような作り方だと構造が弱いため、写真7のように角材を横にも入れ補強しています。
カウンターに物を置くテンパンを設置するため、写真8のように根太を横に打ち込み、テンパンが安定する幅を確保します。
9.キッチンパネル設置
キッチンパネルは935mm×2455mmサイズの物を選びました。
キッチンパネルはキッチンの壁のサイズに合わせてカッターでカット。
両面テープを一定間隔で貼り、パネル用ボンドをテープとテープの間に付け一発勝負で貼り付けます。
一度貼ってしまうと剝しづらいので、上と下でしっかり位置を固定してから貼りましょう!
パネルとパネルの接する部分は約3mmの隙間を空け、コーキングを入れます。
10.レンジフード設置
レンジフードについては、部屋が完成した際の写真しか残っていませんでした……。
レンジフードは壁に設置できる「toolboxオリジナルのフラットレンジフード」を選びました。
レンジフードの重さに耐えられるよう、壁はパネルを貼る前に写真9のように、元々の壁を壊して、12mm合板を2枚重ねで補強しています。
ダクトはホームセンターで購入し接続部をダクト用アルミテープで巻いて完成です。
11.仕上げ(塗装及び漆喰)
キッチンの設置と給水管・排水管の接続は、設備屋さんにお願いしてやっていただきました。
こうして対面キッチンやパントリーなどの設備が完成したら、最後は仕上げとなります!
作業工程は
- 天井・柱の塗装
- 壁に漆喰
です。
キッチンは清潔に明るく、調湿効果を意識して白に統一。湿度の調整や臭いを防ぐ意味で漆喰を採用しました。
1.天井・柱の塗装
天井と柱は水性ペンキの「ケンエース」を塗装。
ケンエースは壁に直接塗れるとありますが、シミを抑えるため、私はシーラーを塗り、塗装3回行いました。
塗装を綺麗に見せるコツは、少しだけ重ねて塗るようにローラーを操作し、2回目は1回目と90度クロスさせて塗ります。これでムラは軽減できます!
2.壁に漆喰
漆喰は「上手く塗れーる」2缶と下塗り用漆喰1缶を買いました。6畳分の部屋用です。
まず下塗り用漆喰を壁全面に薄く塗ります。
乾燥させてから漆喰を写真のようにお玉ですくい、漆喰の蓋に乗せて準備完了。
ゴム手袋をした手で塗るも良し、コテを使うも良し。
模様を付けることも可能です。
強アルカリ性なので手や顔に付かないように要注意です!
完成したカウンターキッチンがこちらです!
クッションフロアやレールライトの取付は書いていませんが、以上で完成です。
DIY歴2年の私でもできました!
キッチンからリビングを見渡せるし、リビングの先の庭と畑まで見える造りとなっています。
キッチン内は冷蔵庫や食器棚を設置してもシンクまで100cmと少し広めにキッチンスペースを取ることで、女性に喜んでいただけるように工夫しました。
また、キッチンの裏にはパントリーがあるため、まとめ買いをしても十分な収納力を発揮します!
なお、このDIYにかかった費用は次のようになりました。
総額費用 約25万円
- キッチン5万円
- ライト2万円
- 漆喰3万円
- 木材7万円
- 配管(業者)2万円
- 電気工事(業者)3万円
- ペンキ1万円
- クッションフロア1万円
ここにどんな方がどんな風に住んでいただけるのかーー。
わくわくします!これぞDIYの醍醐味ですね!
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